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【レビュー】Helloween / Helloween

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【レビュー】Helloween / Helloween

■総評

70点
・マイケル・キスク、カイ・ハンセンのバンド復帰によるプラス要因は大いに作用したと考えて良いが、それはあくまでも近年のHelloweenの曲がベースとしてのものであり、少なくとも過去の名作「Keeper of the Seven Keys」2作に迫るレベルにはない
・カイの楽曲が大作「Skyfall」だけというのはさみしいし、キスクの楽曲が無いのもどうかと思った
・個人的には、アンディ加入後の全盛期に作られた2作(「Master Of The Rings」、及び「Time Of The Oath」)に遠く及ばず、「Gambling With The Devil」レベルにも届いていないと考える
・何年も前からのことだが、ヴァイキー作曲の楽曲が軒並み不発であることが最大の減点要因。本当にどうしてしまったのか。逆に、アンディやサシャは前作以前からほぼ変わらないレベルの楽曲を提供しており、それにキスク、カイが加わることで失速続きのヴァイキーの失点を支えている状態に見えた
・The Dark Rideから引きずっている、歯切れ悪くエッジの無いサウンドは今作でも全く変わっていない。やはりプロデューサーの問題ではなかろうか?
・噂では某雑誌で99点という超高得点がついたそうだが、雑誌の売上のための話題作りの類だろうね。心にもない嘘をつくなと言いたい



■曲別のレビュー

01:Out for The Glory
(作詞作曲=ヴァイキー)

・やや不穏なイントロから疾走が始まり、キスクがメインで伸びやかな声を聴かせる
・アンディのヴォーカルをほぼ排除したのは英断だろう
・近年のヴァイキーの傾向にある「明るいサビ」の曲であり、The Saintsあたりが好きなかたには嬉しかったのではなかろうか。叙情性とシリアスさ、ドイツ人らしいワビサビが欲しいファンにはいまいちかも知れない
・このアルバム全編が概ねそうだが、Helloweenトレードマークである高速ツインリードギターは聴くことが出来ない。あまりHelloweenっぽく聞こえない違和感があるのはそのせいかなと思っている
・最近のヴァイキー曲でありがちな、「サビの2節目で転調する」パターンが踏襲されている。例えば、Yearsのような
・この明るいオープニング曲がこのアルバム中のヴァイキー曲で一番出来が良い、言い換えればこれ以外が残念な出来だった



02:Fear of the Fallen
(作詞作曲=アンディ)

・いつものアンディ曲。アンディがソロで出していても違和感のないやつ
・アンディの曲 にキスクのVo.が乗っているのが最大の聴きどころ
・加入時はハスキーながら伸びやかな良い声を聴かせてくれてたアンディ、ずいぶんしゃがれたな・・・キスクの声とからむとその差がハッキリしてしまう
・間奏でHelloweenらしいギタープレイが多少聴けるのは良かったが、それはどちらかといえばヴァイキー、マーカスの曲で聴きたかった


03:Best Time
(作詞作曲=サシャ、アンディ)

・一瞬マーカスの曲に聞こえたが、サシャとアンディの共作らしい
・これもどちらかというとキスクがVo.をリードする。サシャのシンプルに盛り上がれる曲にキスクの声が合っている
・この曲は大々的にツインリードを入れるべきだった。残念


04:Mass Pollution
(作詞作曲=アンディ)

・ハードロック大得意なアンディのアップテンポな楽曲
・まーたアンディのHR曲かぁ、特になんてことないイントロだなぁ、と思わせておいてサビで殺しにかかる。流石である。彼の楽曲センスは侮れない
・そのアンディの個性たるユニークなサビがこの曲の全て。「♪We just love it loud / Bang and shout it loud~」と、歌詞にある通りにライヴで盛り上がるのは多分間違いない


05:Angels
(作詞作曲=サシャ)
・こちらは純然たるサシャ曲
・メインをキスクが歌っており、これまでと違うバンドサウンドになっているのが特徴
・サビがイマイチ。手堅く曲をまとめるサシャにしては珍しく外している


06:Rise without Chains
(作詞作曲=アンディ)
・Mass Pollutionとは逆で、イントロ~ブリッジは良くてサビでコケている曲
・サビのリズムは捻りを加えたかったのだろうが、特に何も感じ入るものはなかった



07:Indestructible
(作詞作曲=マーカス)
・今回のマーカス枠。近年の彼らしい、先祖帰りしたかのようなクラシックテイストの明るいヘヴィメタル
・Straight Out Of Hellあたりが好きな層には人気が出そうな曲
・だが、こういうクラシックHelloween曲に限ってツインリードが不発で肩透かしを食う羽目になる。なんでよ?


08:Robot King
(作詞作曲=ヴァイキー)
・こう書いてしまっては元も子もないが、キスクが加入した以上、アンディが出ない声を無理に引っ張ってハイトーンの歌メロをリードしなくて良いんじゃないかと思った(思ってしまった)
・ヴァイキーがどういう曲の組立をしているかは不明だが、この曲はブリッジにあたる部分の突き抜けた明るいテンションがやや光る以外は、間奏も含めて良いところが無い。駄作と言ってしまいたくなる。
・正直に申して、ヴァイキーの脳天気系ソングはお腹一杯で吐きそうである
・Midnight SunやSteel Tormentor、Mission Motherlandのような骨太のやつ作る気無いっすかね。ずーーーっと、ずーーーーーーっと待っているんだけど。もう無い?


09:Cyanide
(作詞作曲=アンディ)
・アンディらしい曲。イントロでオッと思わせるが、それはイントロだけであり、続く楽曲はアンディ印のハードロック
・決して悪くはない楽曲だが、これだけクラシックラインナップが勢ぞろいしたのだから、アンディらしいHRは1曲くらいにしてもらって、代わりにもっとカイやヴァイキーの良曲を聴きたかった


10:Down in the Dumps
(作詞作曲=ヴァイキー)
・文字通り、ヴァイキーが意気消沈している曲
・馬鹿野郎。そんなだらしないものをアルバムに収録するな。この取っ散らかった曲の何を魅力に感じろというのか
・Eagle Fly Freeのサビをいじくったような歌いだしと、何のためにあるのか良く分からないぼんやりしたサビへと続くダラダラした楽曲で構成されている。オマケ程度に存在する間奏のツインリードが空しく響く。何も見るべきところなし
・本当に、どうしてしまったのか。ヴァイキー。キミの才能溢れる煽動力の高い楽曲はどこの銀河の果てに飛んでいってしまったというのか。悲しい


11:Orbit
12:Skyfall
・11は12のイントロ。「空を落下」する前の軌道周回(Orbit)というタイトルの通り、SF好きなカイの趣味が出ている
・12はカイ渾身の大作。これについてだけ言えば、Keeper of The Seven Keys Part 1でカイが書いた「Halloween」より優れた楽曲と言って良いと思う。久しぶりのカイ節がHelloweenというバンドのもとに帰ってきた。感無量のファンも多かろう
・March of TimeやFuture Worldのときから殆どスタイルを変えることのなかった一途なカイが楽曲を出してくれた意味は非常に大きい、これがあるから、このアルバムが単に5+2のメンバーによるただの新作ではない、という値打ちを持つのだと思う




次作までにメンバー(特にキスク)が残っていてくれるなら、このバンドには以下を期待したい

・何よりもまず、ヴァイキーが往年の曲作りのセンスを復活させること
 (この曲はあの曲に似ている、等と余計なことを吹き込む某誌のことは無視して欲しい)
・カイの積極的な曲提供、併せてアンディ曲がアルバムの半分を占める状況の改善
・昔のスタイルを取り戻すことに躊躇しないこと
   →それはカイのスタイルであるとともに、このバンドに許された専売特許なのだから
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