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【レビュー】小型 競技用機 / 第1集~掲載

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【レビュー】小型 競技用機 / 第1集~掲載

 


紙飛行機といえば折り紙飛行機が世間の抱くイメージだが、二宮式の模型飛行機に魅せられた一部の世代にとって、紙飛行機とはこのタイプのことを意味する。
ケント紙や画用紙、近年はケンラン紙等の上質な「厚紙」を使用し、型を取り抜き、胴体を重ねて作る高性能紙飛行機のことである。
最初はろくに線をなぞって切ることさえ出来ず、でっち上がる機体はボロボロ、投げてみてもマトモに飛びはしない。なんでだ、このやろう。そんな悔しさから徐々に改良を重ね、次第に上手にカット出来るようになり、うまく貼り付けるためにセメダインCがマストだと悟り、細かな曲がりを直すことで良く飛ぶ喜びを知り、いつの間にか複雑な機体を苦もなく作り上げる事が出来るようになる。自然と、クラフトの完成には地味な忍耐と根気が必要なのだと学び、修得している。紙飛行機とはそのような存在だと思っている。

さて、この小型競技用機は、作者である二宮康明先生の初期の競技用機型 紙飛行機の典型的なフォルムをしている。美しい楕円形の主翼と尾翼、シンプルな直線主体の胴体、重心点こそ主翼の50%に置かれているが、水平尾翼の取り付け角に対して主翼の仰角は3度と高めであり、初期の先生の作品にしては大きめの面積がとられている水平尾翼からあまり揚力は生まれない作りをしている。言い換えれば、重心点の調整が多少雑でも主翼は仕事をするし、取りあえず飛びはする機体ということになる。二宮先生の機体の水平尾翼が明確に揚力を意識し始めているのは書籍「よく飛ぶ紙飛行機集 第4集」からなので、恐らくこの段階では水平尾翼の面積はあくまでもピッチング方向の安定を目的としていたのだろうが、数式を持ち出さずとも、この機体が充分な揚力と、上下左右の安定に必要なモーメントを備え、かつ飛ばしやすい特性を持った機体であることは伝わってくる。

この機体は先生にとってはお手軽入門機の扱いだったようで、「よく飛ぶ紙飛行機集 第1集」に型紙掲載された他、第2集では切り抜き型紙として再掲載され、さらに後年、型紙が大幅に減った「よく飛ぶ紙飛行機集②」にもその存在を確認することができる。胴体は5枚張り、カタパルトフックもない単純な機体ながら素直な特性を持った初心者向けの作りであったことは間違いない。

【滞空性能】
丁寧に作り、かつカタパルトフックを追加してやることで大体15~20秒は滞空を楽しむことができると思われる。難しい工作が不要の小型機だが重心点をルーズに扱うと案外飛ばない。初期の先生の機体は大体そうだが、おもりの付けすぎに気をつける必要がある。手投げ、いわゆるハンドランチだとどうだろうか。。。それでも10~15秒は飛ばせるんではなかろうか。

【改造ポイント】 
やるとしたら、まずカタパルトフックの増設。
あとは、重心点調整が簡単な部類なので、機首の張り合わせ枚数を増やしておもりレス化を狙うのも良い。
さらに、主翼の裏張りを翼端まで延長し、補強すれば墜落しても簡単にはへし折れない翼となるし、カタパルト発進時の主翼のフラッター(振動)も抑えられることが期待できる。初期作品なので、尾翼付近の補強も甘い。そのあたりを改善するのも楽しいだろう。
垂直尾翼の補強は、、、迷うところだが、 小型機であること、また一応は滞空競技用機であることを加味すれば、飛行速度が高くないから無補強で大丈夫とも判断できる。
望むらくは、取り付け角を調整し水平尾翼からも揚力が発生するようにして、さらに滞空性能を高めてやりたい。そのための水平尾翼面積は充分備えた機体である。
 

【総評】
紙飛行機に興味を持った人にまず勧められる、極めてシンプルな機体と言える。これと小型ソアラーを勧めておけばまず外れないだろう。難しいのは後回しで良い。まずは紙飛行機の基本的な面白いところを味わってもらおう。全てはそこからだ。

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