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ねぎみそは、おいしい(゚∀゚)

【レビュー】低翼トレーナー / 第1集掲載(型紙)

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コメント

1. 引用ありがとう御座います

こんにちは
丁寧な引用ありがとう御座います

 よく飛ぶ紙飛行機への道
     作者より

2. コメントありがとうございます

まさか、このようなささやかな個人blogに「よく飛ぶ紙飛行機への道」のかたからコメントを頂けるとは思いませんでした。
誠にありがとうございます。

おかげさまで、学生時代から集めておりました二宮先生の作品が大幅に揃いました。
少しずつ先生の紙飛行機をリフレッシュし、飛ばしてみようと考えております。

3. こちらこそ

こちらこそ、公開したデータをご活用いただき感謝しております。今後も二宮先生の紙飛行機を研究なさり、楽しんでいただければ幸甚です。
よろしくお願い申しあげます。
   よく飛ぶ紙飛行機への道作者より

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【レビュー】低翼トレーナー / 第1集掲載(型紙)


▲「よく飛ぶ紙飛行機集 第1集」掲載の写真


▲「Jet Age Jamboree」掲載の写真。アングルは異なるが設計、形状は同一


この“低翼トレーナー”は、二宮先生が誠文堂新光社発刊の「子供の科学」で連載を開始された頃の、いわゆる初期の機体であると思われる。思われるとしか書けないのは勿論、連載開始の頃の資料がないからなのだが、熱心な二宮式紙飛行機マニアはいらっしゃるもので、町田 伸生さんというかたが「子供の科学」の連載情報から、知り得る限りの書籍、付録、果てはキャンペーンのオマケに至るまで、二宮先生による設計の紙飛行機情報をコレクトしておいでだ。
http://kamihikouki.jp/msd/09.html
こちらから、真の紙飛行機コレクターによる圧巻の掲載情報を入手可能。
筆者もこのリストから「Jet-Age Jamboree」および「Airborne All-Stars」の存在を知り、ちっとも手に入る気配のない「よく飛ぶ紙飛行機型紙集」の代替手段として入手することが出来た。町田さんには大変感謝している・・・有難うございます。

この情報によると、この“低翼トレーナー”は、「子供の科学」で切り抜き型紙第2弾として登場した機体だったようだ。登場したのは1967年10月号。そりゃ古い訳だ。53年も前の型紙であれば納得だ。“低翼トレーナー”というタイトルの印字さえ、なんだか今ではありえない印刷のいい加減さというか、荒っぽさが残っていた。

▼コレである。この味わい深い字体は子供心に深く印象づけた(??)。“翼”に違和感を覚える。


この飛行機は、Twitterには書いたが、初期臭溢れるクラシックさが特徴である。機体自体は大変シンプルで、単純な丸い機首、ストレートな胴体、“トレーナー”と共通化されていると思しき直線基調のテーパー翼と、今となっては小さな面積の水平尾翼、そして初期の先生の作品によく使われていた特徴的な形状の、やや後退した垂直尾翼で構成されている。“小型 競技用機”にも通じる究極のシンプルさは、他のかたが指摘されているように、何かと派手なカラーリングや形状にしたがる他の設計者と比べて明らかに洗練されていた。わかりやすく言うと、iPhoneのように。この洗練されているスタイルが、上記リンクの町田さんも仰っているように「只者ではない感」に満ちているが故に二宮式の紙飛行機に惹かれ、愛され続けている訳だが、後述するように飛行特性も素直で妙な癖のない、非常に親しみやすい機体でもあり、それゆえに1967年のクラシックでありながら、「よく飛ぶ紙飛行機集 第1集」の絶版までこの機種が型紙掲載され続けたのだろうと思う。ネタ機である“小型 円形翼機”と違って本当によく飛ぶ紙飛行機なのである。



【作り方・飛ばし方】

型紙をケント紙なりケンラン紙に印刷し、切り抜いて作るだけならば部品点数も少なく、複雑な箇所もなく特に製作に困ることはない。低翼機なので手投げにやや難はあるが、無改造の場合カタパルトフックもなし、主翼補強も(初期作品だから仕方ないが)弱いため、手投げしたとしても力を入れすぎず、ゆるく旋回させるよう投げ上げるスタイルで飛ばすことになる。要は、強目のゴムでガッツリカタパルト発進させるように出来ていない。改造しないんであれば、クリップをつけるなりして重心点をあわせ(幸い機首は長いため、前方25%タイプの重心点でありながら調整は楽な部類である)、お気楽紙飛行機としてその飛行を楽しむべきである。そして、その範囲内でさえあるならば、この"低翼トレーナー"は素晴らしく従順で、外連味のない綺麗な滑空を見せてくれるだろう。二宮先生の「よく飛ぶ紙飛行機」をこの上なくシンプルに、そして端的に表している機体と言える。やはりテーパー翼が最も性能が良いのだろうか。二宮先生の現時点の最新作「二宮康明の紙飛行機集 よく飛ぶ競技用機III」(最終作とならないことを祈る)で再度、テーパー翼の機体が掲載されているように、結局はシンプルなものが最も優れた特性を持つのかも知れない。
 なお、この型紙は初期の作品ゆえ、部品間の細かなズレが無視できないレベルで存在する。部品をPhotoshopなどのツールで切り取り、重ねてみるとわかるがなかなかのズレである。気になるかたは補正に挑むと良いと思うが・・・時間のある連休に挑戦することをお勧めする。筆者は結構手こずった。

▼Twitterにアップロードした画像で恐縮だが、重ね合わせてみてこんなにずれてんのか!と衝撃を受けたときのもの。紙はズレていても張り合わせるとフシギとさまになるのであるが、やはり直したい。




【滞空性能】

無改造の場合、投げ上げにくい低翼機であるがゆえ、うまく作ったとしても精々10~15秒程度の滑空に留まるであろう。カタパルトフックをつけたとしても、この機体は尾翼付近の胴体強度が高速飛行に耐えるように出来ておらず、強力なゴム発進をさせてもグルリとおかしな軌道を描いて回ることが多い。それでもカタパルト発進により高い高度まで打ち上げることが可能ではあるが、競技用機を空高く上昇させたときの、胸のすくような高度への上昇はない。胴体を頑丈に作り、カタパルトによる強力な上昇に耐えることの重要性を思い知ることになる。素直な飛行特性で誰でも親しみやすい本機だが、揚力を産むことは期待できない小ささの水平尾翼、それに対しての主翼取付角、その2点はいじらないと滞空性能の向上は難しいだろうと思う。あまり凝った工作にすると“低翼トレーナー”らしさが失われる気がしないでもないが、本機で現代の紙飛行機と同等の性能を追求するんであれば、胴体の補強、そして主翼取付角の調整と水平尾翼面積の増大が不可欠となる。


【改造ポイント】

直したいところ、いじりたいところ、色々あって、改造が好きなメンズにはやり甲斐のある機体だろうと思う。
●何よりもまず、各パーツのズレの補正、部品の作り直し
●主翼裏張りの翼端までの延長
●(水平尾翼を改造しない、つまり重心点をいじらない場合)胴体後部の軽量化
●強力なカタパルトを使用するための、垂直尾翼付け根の強度不足の解消
●おもりレスとするための機首部品の追加(できれば9枚程度まで)

筆者はこの“低翼トレーナー”の改造に着手するにあたり、まず水平尾翼の面積を変えず、もちろん主翼の取付角もいじらずに元の設計のまま、おもりレスにすることに比重を置いてみた。少しでも胴体後部の重量を削るため、中心パーツである①の胴体後部の幅を削った。しかし削りすぎて不安になったため、骨組み代わりの細い紙パーツを①と③の間に貼り付けて補強している。

▼だいぶ極端とは思うが、このときはおもりなしで重心点に近づけることを狙った。パーツ①の胴体部分は細くしすぎた。ここまでしなくて良いと思う。
▼主翼裏張りは、先生の生み出したこの形が最も合理的だと今でも思っている。


機首が長めの機体が幸いし、前方25%とはいえ重心点調整に限って言えばおもりを用意しなくても充分可能である。しかし“小型 軽飛行機”と同様、厳密にそこに重心点を持っていかなくても飛ばすことが出来る。ふんわり飛ぶことを狙うならば、重心点から3~5mm後方にセットしてやり、飛ばしてみて様子をみることをお勧めする。あんまり後方にするとピッチングがはじまったり、安定性が失われるので、ほどほどに。
この機体に本気で滞空性能を上乗せしたければ、不足している水平尾翼面積を増大させ、取付角は1°前後に落とし、なおかつ重心点は主翼中央かそれより後方に持っていくことになるだろう。飛行特性が変わるため、おそらくは根気の要る調整が必要となるだろう。



【総評】

▼シンプルであることは美しいことである。


わずか2本の直線で描かれたコクピット、直線基調の単純な輪郭なのに目を引く美しさを持ち、かつ飛ばしてみればわかりやすく伝わる安定性と滑空性能。“低翼トレーナー”とはそういう作品である。文字通りの"練習用"に作成するもよし、熟練者は1から設計を見直し、テーパー翼の生み出す高効率な揚力に加え水平尾翼からも揚力を発する構造とし、かつカタパルト発進の強力なGに耐える強度を胴体に与えた上で、高い空へこの機体を射出しても面白いだろう。「よく飛ぶ紙飛行機集 第4集」にもタイプの近い低翼軽飛行機が掲載されているが、美しさで申せばこちらのほうが好みである。今や型紙の入手自体が困難であり、かつ部品の誤差もあるため初心者にはどうかと思うが、重心点変更など、改造の練習のベースとして中級以上のかたにお勧めしたい作品である。

▼部品点数は増えたが、おもりなしで飛ばせるようにするほうが楽である。PCが使えるかたにはぜひお勧めしたい簡単な改造である。
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コメント

1. 引用ありがとう御座います

こんにちは
丁寧な引用ありがとう御座います

 よく飛ぶ紙飛行機への道
     作者より

2. コメントありがとうございます

まさか、このようなささやかな個人blogに「よく飛ぶ紙飛行機への道」のかたからコメントを頂けるとは思いませんでした。
誠にありがとうございます。

おかげさまで、学生時代から集めておりました二宮先生の作品が大幅に揃いました。
少しずつ先生の紙飛行機をリフレッシュし、飛ばしてみようと考えております。

3. こちらこそ

こちらこそ、公開したデータをご活用いただき感謝しております。今後も二宮先生の紙飛行機を研究なさり、楽しんでいただければ幸甚です。
よろしくお願い申しあげます。
   よく飛ぶ紙飛行機への道作者より